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【車載追加基準】クラス分類とボイド、BTC(底面電極部品) 2017年6月 プリマス,米国

6月27日から29日にかけて、米国プリマス(ミシガン州)にて、IPC-A610の自動車産業向け追加基準策定委員会 (Automotive Addendum Committee Meeting)とBTC(底面電極パッケージ部品)の実装設計標準委員会が、Boschのテクニカルセンターで行われた。BTCの委員会では、先日名古屋で講演を行った、Chris Jorgensen氏が議長を勤めている。

IPC:7-31BV Automotive Addendum Task Group Meeting Interim Meeting】

本委員会では、北米、欧州、アジアから計12名が参加。チェアマンを勤めるBosch、Continental、Nexteer、Flex(Flextronics)、Visteonなどが集結し様々な議題について話し合われた。

-自動車電子機器のクラス分類とボイドについて

下記は、議論された内容の一部項目を抜粋したものである。

1.最初に、Boschから車載関連に関する要求品質についての考え方の紹介があった。例えばISO-26262が機能安全という観点から存在し、次に自動車業界ではASIL-B(automotive safety insurance level) があり、Boschが考える優先順位を紹介した。本追加基準では信頼性の観点から、初期品質状態に注力するという方向である。

2.次いで本追加基準におけるソルダ接合部ボイドについて議論を行った。BGAも含めて現在のIPCにおけるボイド基準の根拠になっている、Dave Hlilman氏(Rockwell Collins)の「The last will and judgement of the BGA void」が紹介された。Hillman氏のレポートは、はんだ中ボイド、接合界面のカーケンダルボイドなど各種ボイドの種類と特徴、ボイドの信頼性に影響する要因やボイド率と温度サイクル試験の間の相関関係の結果などが共有された。

3.Boschより、BGAボイドに関する規格、IEC61191-6が紹介された。(これはIPCとJEITAがそれぞれ行ったBGAのボイド規格を決めるための実験結果を持ち寄って合意した規格)

4.日本の自動車メーカでは、サプライヤがBGAやBTCなどのはんだ接合部が直接目視検査できない場合でも、ボイドを含めて100%の外観検査を要求していることを紹介したが、VWを含めて欧米の自動車メーカでも同様の傾向にあると分かった。

5.次回までにさらに論文、データを調査する。特にボイドと耐久強度の関係を表す試験方法、メカ強度試験のデータを収集・発表予定。

次回は、オンライン会議を8月21日(参加無料)に予定しています。ご参加をご希望、ご興味のある方は弊社までご連絡ください

(今後の会合予定)

8/21 日本時間PM9:00~:オンライン会議

9月16-21日 IPC秋季委員会 @シカゴ, 米国

11月14-17日 IPCヨーロッパ委員会 @Productronica2017 ミュンヘン,ドイツ

12月6-8日 Apex South China @ 深セン,中国

 

IPC-7093 Standards Committee, BTC Task Group Working Meeting

本委員会では、北米、欧州、アジアから計11名が参加。Bosch、Continental、IBM、Indiumなどが参加した。

-新しいQFN/BTCパッケージ部品図の紹介と基準書への採用

今回のTask Groupの目標は、2009年に発行したバージョンの改版であり、特に前回主流であったQFNパッケージ部品が大きく進化・多様化していろいろなBTCが現れたため、これらを取り込んだ改版を行うことが必要となった。

1. 新たにHDI関係の規格を参照に入れること、フラックス・クリーニングを加えることなどを議論

2. QFN底面のサーマルランド部のソルダマスク設計ガイドが加えられた。これはサーマルビアと他の回路ランドとのはんだショート対策のためである。

3. 特にソルダマスク設計では、クリアランスマスクとするか、ランド周辺を覆うカバーマスクとするかなどの判断基準も多く加わる予定である。

4. 「サーマルランドのはんだボイド許容値」については、従来の許容値を変更することで合意。

(今後の会合予定)

9月16-21日 IPC秋季委員会 @シカゴ, 米国

※掲載イラストサンプル