IPC、はんだ付洗浄工程で要件変更。J-STD-001G Am1(改訂1)日本語版販売スタート!
お客様各位
この度、はんだ付工程の国際基準として広く採用されているIPC J-STD-001:はんだ付される電気・電子組立品に関する要求事項、の第8項「洗浄および残渣に関する要求事項」で見直しと改訂が発行されましたのでお知らせいたします。
MIL-2000をはじめとする、1970年代に開発された試験方法と要求事項が現在でも使用されていますが、時代背景や技術、フラックスを含む化学物質の質的変化など市況は大きく変化したにも関わらず、過去の試験方法と判定基準が採用(いわゆるレガシーデータ)されているのが実状です。今回は、はんだ付後の洗浄方法、清浄度を測定するための試験方法など、IPCのタスクグループが5年に渡り、防衛、宇宙・航空、車載、EMS、民生品など様々なセクター特性を考慮し、複数の環境でラウンドロビンテストを行い、検証を繰り返してきました。
以下、IPCの公式発表より———————
長年にわたり、軍事用途の標準書(MIL-STD-2000、J-STD-001等)では、 ROSE 試験(溶媒抽出剤の固有抵抗による、イオン性表面汚染の検出と測定) を用い、NaCl等価重量1.56μg/cm2とするイオン性清浄度要件に満足することを要求してきた。
しかし、1970年代に開発された一律的なROSE試験の1.56μg/NaClという値は、もはや許容可能を判断する客観的証拠として見なされず、”時代遅れである”との結論に至った。そのため、高信頼性な製造工程では、本改訂(J-STD-001G Am1)を用いた清浄度要件が推奨される。
ROSE 試験に対する最大の誤解は、この試験が示す1.56 またはそれ未満という数値によって合格した場合、その組立品は「清浄」または「許容可能」であるとし、また、試験結果が1.56 以上の場合は、その組立品は「汚染している」または「不合格品」であるという当然の想定の下に、この試験が「清浄度試験」としてしばしば見なされることである。正しく判断されるケースは多くないのが現状である。
これら変更背景をレポートしたホワイトペーパー「IPC-WP-019A:イオン性清浄度要件における、国際的な見直しの概要」が付属する。